□ 放送禁止用語は存在しない!?女、ハーフ、肌色・・・最新版 テレビ局の放送自粛用語とは!?
2014年10月06日
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生放送の番組で時々、「先ほど、不適切な発言がありました」などと謝罪するシーンがある。
明らかに不適切な発言、つまりは放送に相応しくない言葉を使っていたならわかるが、最近は一体どの発言に対する謝罪なのかと疑問に思うこともしばしば。
このあたりの疑問を業界人に尋ねたところ、我々視聴者が知らない放送禁止用語が沢山あるらしい。
「そもそも放送業界に放送禁止用語と呼ばれるものはありません。表現の自由の考え方が前提にあるため、法律上は何も規制がないのです。
しかし、その言葉を使うとクレームがたくさん来る、もしくは特定の団体などから激しい抗議が来ると言われている"放送注意用語"や"放送自粛用語"があります。
どちらも内容は同じですが、その名の通りに放送内で使用する際には注意しておくべき言葉であり、放送局が独自にまとめています。
これは、あくまでも注意しろ、自粛しろというレベルのもので、クレームを恐れないのであれば放送内で言ってしまっても問題はないのですが、クレームが多くて喜ぶ局員などいませんから誰もが使いません。この自主規制が放送禁止用語として認知されています」(テレビ番組放送作家)
放送禁止ではなくて、放送上注意しなければならない言葉があることは理解できる。しかし具体的にはどのようなものがあるのか、元アナウンサーが教えてくれた。
「たとえば、女性器の名称であったり、『キチガイ』『低脳』『知恵遅れ』などは一発アウトの用語です。
また、昔は多く使われていた言葉でも今では差別用語になるため、『びっこ』『つんぼ』『こじき』『浮浪者』『ルンペン』『黒人』などもNG。このあたりは今時、放送内で使う人はいないと思いますが、基本的に人間を差別する用語は全てアウトと考えておけばいいと思います」(元テレビ局アナウンサー)
確かに肌の色を差別する用語は避けるべきだろう。これらの放送注意用語が増えているのは事実なのだろうか。
「ほぼ毎週のように増えていると言っても過言ではありません。十数年前から『八百屋』『魚屋』『肉屋』などには全て『さん』を付けなければいけなくなっています。
また、『障害』もNGで『ハンデ』と言いますし、色鉛筆などにある『肌色』は人種によって肌の色が異なることから『ペールオレンジ』と言います。
そして、女性のことを『女』と言ってはいけません。犯罪者の場合には女と言ってもいいのですが、それ以外は全て『女性』で統一。ちなみに男性は『男』で問題ありません。
さらに最近のもので言えば、両親が国際結婚をしている場合にその子供を『ハーフ』と表現していましたが、これも今はNGで、『ダブル』と言わなければいけません。とにかく言ってはいけない言葉が多すぎて、若いスタッフは覚えきれないと悲鳴をあげているのです。」(同・元テレビ局アナウンサー)
時代の変化が原因とはいえ、どうしてここまで言ってはいけない言葉が増えているのだろうか。番組制作現場のスタッフが教えてくれた。
「そもそもは差別用語を排除していたのですが、現在はクレームがあるとどんな類の言葉も言うか言わないかの判断を設けます。クレームが10件くれば即座に放送禁止ですよ」(テレビ番組制作スタッフ)
10件もクレームがくれば、やはりそれは問題がある言葉という意味ではないのだろうか。
「確かに電話が10件あれば自粛すべきですが、今はクレームがメールで届く時代です。電話の場合には余程怒らないと掛けてこないでしょうが、メールの場合には気楽な気持ちで送ることができます。
そのため、電話とメールではクレームを入れる際の温度が違います。ですが、テレビ局はあくまでも件数だけをカウントしていて、以前と同じように10件を超えたら放送禁止にするため、言えない言葉がどんどん増えていきます。あまりにも多いので、逆に言える言葉をリスト化してほしいという声もありますよ」(テレビ番組制作スタッフ)
ここまで増えてしまっては大変だろうが、この風潮は今後も変わる気配がないらしい。さらに、クレームのせいで言葉以外の部分にも規制は波及しているらしい。
「警察24時のドキュメンタリーで警察官が走行中にシートベルトを付けていないシーンがあったんですが、ここにもクレームが入りました。
それ以降はテロップで"警察官は緊急走行中はシートベルトをしなくても良いことになっている"と表記するようになったんです。また、これが原因で車の走行シーンでは全ての出演者のシートベルト着用が絶対になりました。
そのため、ドラマ制作の現場は困っています。なにせ逃げる犯罪者がタクシーに乗って、まずはシートベルトを付けなくてはいけないわけですから」(テレビ制作会社スタッフ)
たしかに、犯罪者にシートベルトは似合わないだろう。だが、現場ではこんな意見まであったらしい。
「熱湯風呂にもクレームが入ったことがあります。テロップで『実際は熱くありません』と入れるか熱湯風呂をやらないかで揉め、結局は今まで通りやることになったんですが、さすがにそこまで規制するのかと驚きました。」(同・テレビ制作会社スタッフ)
もちろん現在ははテレビ局だけではなく、全ての企業がコンプライアンスの順守を求められている時代ではあるが、仕方ない部分もあるように思える。その一方では人のことを考えていない習慣もあるようだ。
お天気カメラの映像は紛れもなく生中継なのですが、歩いている人の顔までアップにしてしまって平気なのかと思います。中には不倫しているカップルもいるかもしれないため、奥さんに出張って嘘をついて渋谷などにいたら大変です。
今は路上インタビューでも全員に出演承諾書にサインしてもらっているのですが、それに比べればあのお天気カメラはいつかトラブルになるのではと感じています。」(テレビ番組放送作家)
まだまだ規制が必要な部分もあるのだろうが、あまりに規制が進むと何もできなくなってしまう。テレビが面白くなくなったと言われて随分経つが、そこには視聴者からのクレームが大きく関わっているみたいだ。クレーム入れる前に一度考えたほうがいいのかもしれない。
[引用/参照:http://tocana.jp/2014/09/post_4888_entry.html ]
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