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髭男爵・山田ルイ53世に異例のジャーナリズム賞『一発屋芸人列伝』ルポの舞台裏

「ルネッサ~ンス!」でおなじみのあの芸人が、異例のジャーナリズム賞を受賞した。

数々の一発屋芸人たちを描いたノンフィクション「一発屋芸人列伝」が、このたび第24回「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞に輝いた。

作者は、自らも“一発屋”と称する髭男爵・山田ルイ53世(以下、男爵)。

「一発屋芸人列伝」はレイザーラモンHG、コウメ太夫、テツandトモなど、かつて一世を風靡した芸人総勢10組に男爵自らが取材し、その一人一人の生き方に迫った作品だ。

もともと男爵の文章力は、水道橋博士や高田文夫をはじめ、業界人からも高く評価されている。

2015年には自らの引きこもり体験を描いたエッセイ『ヒキコモリ漂流記』を出版し、現在もwithnewsをはじめいくつもの媒体に連載を抱える“売れっ子作家”である。

しかしながら、今回男爵が受賞した雑誌ジャーナリズム賞作品賞は、昨年は横田増生氏の「ユニクロ潜入一年」(週刊文春)、過去は清水潔氏、森功氏の作品など骨太のノンフィクションに与えられてきた賞で、“異色”の並びであることは否めない。

なぜこの作品が「ジャーナリズム」として評価されたのだろうか。

私は担当編集者として、連載開始から完結まで毎回の取材に付き添い、原稿を受け取ってきた。その中で見えてきたのは、取材や執筆に対する男爵のプロフェッショナルな姿勢だ。

芸人と取材者のスイッチ

毎回の取材は、相手も同じ芸人同士、嫌が応にも盛り上がった。

ネタを生み出す苦しみやブレイク時の思い出など、同じ境遇を経験した者として話が弾む。

これまで幾度となく聞かれたであろう「最高月収」、「ブレイク後の落ちぶれたエピソード」など、相手の芸人のトークも既に仕上がっている。

だが、相手が何度も話したような手垢にまみれたトークをしたり、質問に対してお決まりのギャグでお茶を濁そうとすれば、男爵は笑みを浮かべつつ言った。

「いやいや、そういうの要らないんです。ほんまのとこ聞かせてください」

瞬時に芸人モードから、取材者に切り替わるのだ。

何度も繰り返してきたような「コスリ倒された」ネタに、相手の“心”は乗っていない。それは同じ芸人として百も承知なのだろう。

その絶妙な切り込みに、相手の芸人も思わず一人の人間としての本音を覗かせる。波田陽区は「10年以上ずっとイジけたまんまです……」と告白し、キンタロー。は女性芸人の輪に入れないという悩みを吐露した。

おそらく他のインタビュアーによる取材では出てこないような言葉を引き出せるのも、芸人と芸人、さらに言えば「一発屋と一発屋」という、男爵にしか取ることの出来ない相手との距離感ゆえのことだろう。

虐げられた者たちへの肯定

「すんません、あともう一回やり取りさせてください……」

雑誌の校了間近になると、男爵からいつもこんな連絡が来た。

「一発屋芸人列伝」が連載された「新潮45」は月刊誌であり、時間の猶予はそう多くない。ましてや男爵の本業は当然ながら芸人。テレビ出演こそ少なくなったとはいえ、営業で全国を飛び回る毎日だ。

男爵はそんな限られた時間を目一杯使い、ギリギリまで推敲を続けた。

毎月の原稿修正のやり取りは3~4回、多い時は5回にも及んだ。校了前の最終段階であるゲラ(原稿)のチェック時、大柄な体を丸めてゲラを読む男爵の姿は、背中から湯気が出ているのではないかと思うほど気迫に満ちていた。

毎月、こうして練り上げられていった作品。その内容は、面白いだけにとどまらない。

読者は、芸人に対する容赦ないツッコミやイジリ、笑いがちりばめられた描写にゲラゲラ笑いながらも、その行間から浮かび上がってくるものに気づく。

「一発屋」と揶揄されたり、「最近見ない、消えた」と嘲られてきた芸人たちへの肯定の眼差しである。

「一発屋は、本当に消えてしまったのだろうか。否である。彼らは今この瞬間も、もがき、苦しみ、精一杯足掻きながら、生き続けている」(「新潮45」2017年1月号)

連載第1回で男爵はこう書いている。同回に登場したレイザーラモンHGは、そんな全ての一発屋芸人たちの思いを代弁した。

「僕達って、飽きたとか、面白くなくなったとか言われるけど、その言い方は合ってないと思う。やってることはずっと面白い。ただ、皆が“知り過ぎてしまった”だけ。そもそも、面白いものを提供したからこそブレイクしたんやから!」(同上)

虐げられてきた一発屋たちが芸人としての矜持を保ち、再ブレイクを期して足掻き続ける姿は愛おしくもある。

「みんなバカにしますけど、一発屋はみんな面白いんです!」

男爵はことあるごとに(少し照れながら)強調した。

これまで光の当たっていなかったもの、忘れ去られてしまったものを浮かび上がらせ、そこに新たな生命の力を与える。

これは、まさしくジャーナリズムの仕事と言えるのではないだろうか。

異例とも思える髭男爵・山田ルイ53世の雑誌ジャーナリズム賞受賞だが、これは近年注目度を増しつつある“芸人作家”の新たなる地平を開く出来事となるのかもしれない。

[via:デイリー新潮]
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180326-00539928-shincho-ent

なぜ共感集めたのか?

今回の受賞にネットでも《この人の文章はまぁ面白い。構成がよくできてる》《たまーに見てたけど構成とオチがしっかりしててとても面白いです》《男爵の記事はものすごく読みやすく、表現・比喩・構成・洞察などなど天性の才能だと思うよ》と山田の書く文章を絶賛する声が上がっている。

山田自身も15年に開催された、真の一発屋芸人を決定する「一発屋総選挙」の初代優勝者であるという名誉ある“一発屋”。だからこそ当事者として、その“一発屋”というレッテルに対し思うことがあったと昨年8月に公開されたインタビューで明かしている。

「一発屋と十把一絡にされがちな人たちにもこういう歴史があって、その人たちのネタがなぜここまで跳ねたのかみたいなところも含めて書きたい、話を聞いてみたいという気持ちがありました」

一発屋には「自分の負けを飲み込む段階が必要」と断言する山田。負けを認めつつ、前向きに芸に精進する姿勢に惹かれるという。さらにその生き様を「しなやか」と評した。

「その生き方はしなやかだし、人間として上等やなと。美談にはならないけど、生きているよっていうことは言いたかった」

さらに山田は、同志たちに温かい視線を送る。

「別に世間は『(一発屋には)価値がない』と思ってくれていいんですけど、そんなことないよって言う人がいてもいいんじゃないかなと思って、書いた部分はあります」

そんな思いが、多くの人から共感を集めたのだろう。その文才から小説の世界にも興味があるといい、「腹案はあります」と答えた山田。これらからも様々な分野での活躍に期待したい。

[via:女性自身]
https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_Jisin_33574/

ネットの反応

・なんだかんだ言ってヌーボー解禁あたりはかなり稼げるらしいぞ
・かなり才能豊かな芸人だと思うがあまり露出は多くないね
・見かけが色物でお笑いのセンスもないけど知性はあるんだよな、この貴族
・騙されたと思って一回読んでみ良い文書くよ
・これを機にもっと世間から評価されて欲しいな
・もうインテリ芸人で貴族ネタとか辞めればいいのに
・ワイドナショーでもいいコメントしてた稀有な出演者の一人
・進学校出身で大学中退だっけ。頭は悪くないよな。
 >もともとは将来東大生になるのが当たり前みたいな学校いってたらしいね
 うんこもらして登校拒否になって人生狂ったとか
・シルクハット脱いだら社長感
・ゲイ臭が凄いな
 >なお自分が思ってるほど2丁目人気はない模様
・ぴゅあぞーとして電波少年のアンコールワットへの道に出てた山田ルイ53世

 >なんでここから髭ダルマになってしまうのか
 >樋口カッター割とシュッとしてるな
 >きれいな雨上がり決死隊やん

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