高橋の両親は数年前に離婚。今回、母親と弟の2人で暮らすマンションが”不祥事”の舞台となった。

弟の仲間がこのマンションの部屋をたまり場として利用するようになり、そのうちの一人、Aと母親が関係を持ったのだ。

母親は「息子のことで脅され、仕方なく関係を持った」と認めたので、1月になって送検、略式命令で50万円の罰金刑を受けた。

傷害事件で逮捕された少年3人は、高橋の弟と同じ中学校の生徒。Aは高橋の弟の先輩で、もう一人は高橋の従兄弟。2人とも弟と親しく、昨年秋頃までマンションをたまり場にしたグループの一員だった。

それにしても、「脅された」という母親が50万円の罰金とは、一体どういう意味なのか。

「略式命令で罰金50万円は重い。普通、淫行だけだと20～30万円の罰金です。この母親の場合、当初は無理やりという脅迫的な一面はあったとしても、2度目以降は自ら車を運転し、助手席に少年を乗せてラブホテルを訪れている。単に脅迫されて関係を強要されただけでなく、自らの快楽の追及という側面も否定しがたいと解釈するのが普通だ。

現在中3の高橋の弟が地元でヤンキーとして知られるようになったのは約2年前。

中1の終わりに『たかみな』の弟だと知られ、周囲からサインなどをねだられるようになり、嫌気がさしたのか中2ごろから学校を欠席しがちになったという。

このグループの素行の悪さについても有名で、屋上によじ登り、酒盛りをする、バイクのエンジンオイルを大量にマンションの玄関にまき散らすなどし、近所の住民は大家に頼んで、高橋の母親に注意してもらったという。とはいえ、現在は収まっており、騒ぎはそれほどでもなかったようだ。

高橋と同級生で友人だったという付近の住民が語る。

「騒がしかったのは1～2年前のこと。私の娘が直接、高橋家に騒がしいから静かにしなさいと忠告しに行ったら、騒ぎが収まった。屋上の騒ぎは知らない」

Aを知る少年もこう言う。

「辺りで『エンジンオイルをまき散らした』などと言われているけど、そんなことは知らないし、屋上にも行ったことがない。騒がしいのは昔のことで、最近はうるさくしていない」

いずれにせよショッキングな今回の騒動だが、ほとんどのテレビ、スポーツ紙は沈黙を守っている。

そして2月16日、「AKB48」の高橋みなみが母親が淫行の疑いで逮捕されていたと報道された件について、公式ブログで謝罪のコメントを発表した。

だが、週刊誌は依然後追い記事を書かないし、スポーツ紙もワイドショーもスルー。その裏には、AKB側から「文春の報道に乗ると危ないぞ」という”脅し”説明と、100万円単位の広告出稿の取引があったという

一般紙も東京版で報じたのは、日経と産経、東京のみ。AKBを創立135周年のイメージキャラクターに起用し、ウェプで「AKB特報部」を展開する読売新聞や、系列の日刊スポーツが「月刊AKB48グループ新聞」を発行する朝日新聞では一切触れていない。テレビは言うに及ばず。

民放幹部が語る。

「今回は、母親が略式起訴されたことまで確認できているので、通常なら報道するケースですが、ウチの場合は編成サイドから『待った』がかかりました」

また、自粛ムードだけではなく、所属事務所サイドからの”説明”もあった。芸能記者が明かす。

「高橋の所属事務所から、『法律上は母親が悪いことになってしまったが、少年がしつこく性的関係を求めており、彼女は被害者だ。文春の報道に乗ると危ないぞ』という主旨の説明がありました。司法の場で罰せられているのにあきれた話ですが、多くの新聞がこれを口実に報じなかった」

事務所側の主張を鵜呑みにして、取材で確かめようとすらしていないのだ。スポーツ紙のベテラン記者が語る。

「テレビ、新聞を問わず、AKB人気の恩恵を受けていないメディアはまずありません。このため、AKBは今や各社のイベント事業部門、広告部門、編集部門それぞれに絶大な影響力を持っているのです。今回はAKBや所属事務所の機嫌を損ねないよう自粛した新聞がほとんどでしたが100万円単位の広告出稿と引き換えに掲載を取りやめた新聞も複数あると聞きます」

スポーツ紙を代表して、報知に問い合わせたところ、「記事の取り扱いは編集局の総合的判断によるもの」と回答。朝日は、記事掲載の判断理由は答えない」、読売は「掲載の必要がないと判断」とし、両社とも事業面とは関係ないと答えた。

上智大学の田島泰彦教授(メディア法)が語る。

「原発報道の時もそうでしたが、既存メディアが業界と深い関係を持ち過ぎているために、大事な事実が伝えられないという構造的な問題をはらんでいるのでしょう。これでは国民が「テレビや新聞というメディアって一体なんなんだ』という不信を強めてしまいます」

こんなメディアが、より強大な権力に抗うことなどできようはずがない。

[週刊実話 週刊文春]
http://stevie.seesaa.net/article/253073431.html
http://entameblog.seesaa.net/article/252572643.html

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