SPORTS

HEADLINE

壮絶な打ち合いの末にベガスで散った三浦隆司 それでも第2のパッキャオになれるのか?

s201501125-1

年間最高試合の最有力候補――。

試合終了の直後から地元記者からもそんな声が次々と挙がったことも当然と思えるほどの、壮絶な打ち合いだった。

現地時間11月21日、米国ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターで行われたWBC世界スーパーフェザー級タイトル戦は、指名挑戦者フランシスコ・バルガス(メキシコ)が、王者の三浦隆司(帝拳)に9ラウンド1分31秒TKO勝ち。

メキシコ人挑戦者の前に屈し、5度目の防衛はならなかった三浦だが、その内容はまるで“ハリウッド映画”のようにスリリングで、ベガスのファンを魅了するに十分だった。

s201501125-5

激闘を終えて、三浦本人、帝拳ジムの本田明彦会長は特に試合開始早々に浴びた右パンチを盛んに悔やんでいた。

タフな三浦も相当なダメージを受けていたようで、以降のボクシングの微妙な崩れにつながった。おかげでKOチャンスをつかんでも、仕留めるには至らなかった。

途中で主導権を握ったように見えても、出鼻に負った傷がフィニッシュの瞬間まで尾を引いていたのだとすれば、23勝無敗(17KO)1分のまま初戴冠を果たしたバルガスのパワーは評価されてしかるべきだ。

もっとも、例えそうだとしても、やはり三浦が逃がした魚は余りにも大きかったと感じずにはいられない。スピード感こそなくとも、強打を応酬しあった打ち合いは迫力十分。

あの展開でKOまで持ち込んでいれば、“タカシ・ミウラ”は現地のファンを騒然とさせることができていたはずである。

「本当に悔しいです。もうちょっとだった。気持ち的に前に行きすぎて、9ラウンドまで前に行きすぎて、技術面で負けた」
「結果的にほんの一瞬の、油断はしていないけれども、ほんの隙を突かれた。勝負ごとなので仕方ない」

試合後の本人の言葉通り、勝敗はまさに紙一重だった。バルガスにも余力はなかったはずで、第9ラウンドは最後の力を振り絞っての猛反撃に見えた。

あの回の序盤さえ無難にしのげば、もう銃弾は残っていなかったはずである。そんな状況を考えれば、余計に痛恨の1敗に思えてくる。

s201501125-2

ただ……、米国のリングでは、勝敗同様、時にそれ以上に内容が問われることを考えれば、収穫も少なくない一戦だったとも言えるかもしれない。

「紛れもなく大きな舞台で、今までのボクサー人生で最高の舞台だった。気合いが入りました」

試合を放送したHBOの次期スポーツ部プレジデント就任が有力視されるピーター・ネルソン氏に尋ねても、「最後は彼(三浦)には厳しかったが、素晴らしいファイトだった」と笑顔だった。

s201501125-3

「勝つことが一番大事だが、こちらでやっていこうと思ったら、良い試合もしなければいけない。(マニー・)パッキャオはこういう試合を何度も勝ってきた」

6階級制覇を果たしたフィリピンの英雄、パッキャオの台頭期同様、今度は豪快なKOで難敵をフィニッシュできるように。未来への可能性を少なからず感じさせたという意味で、三浦の米国初登場は無駄ではなかった。

[引用/参照/全文:http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201511220004-spnavi]

ニックネームはメキシカン・アサシン

今回、三浦に与えられたリングは、過去に日本人選手が経験した中で最高の舞台だったと言える。

この日のメインイベントは、ミゲール・コット(プエルトリコ)とサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)によるラスベガスのスター対決で、年間でも1、2を争うビッグマッチだった。

試合は米ケーブルテレビ局HBOでペイ・パー・ビュー(PPV)放送され、三浦の試合はそのセミファイナルで行われた。最近は米国のリングに上がる日本人選手も増えているが、PPVのしかもセミファイナルに抜擢されたのは三浦が初めてだ。

加えて対戦相手がメキシコのスター候補だったというところも見逃せない。現在、アメリカのボクシングの中心にいるのは、メキシコ系アメリカ人、あるいはメキシコ人だ。

彼らは主要なファン層であり、主要な選手層でもある。つまりアメリカで成功したいなら、自らがメキシコ系であるか、あるいはメキシコ系に勝って名前を売るか、このどちらかが1つのポイントになる。

典型的な例がマニー・パッキャオ(フィリピン)だ。

パッキャオはマルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレスといったメキシコの有力選手を次々と破り、最終的にメキシコ系アメリカ人にしてボクシング界のスーパースター、オスカー・デラホーヤに勝利してその地位を不動のものとした。

デラホーヤの顔面にパンチを決めるパッキャオ

デラホーヤの顔面にパンチを決めるパッキャオ

そもそも三浦がこのイベントに抜擢された理由は、エキサイティングな試合をするチャンピオンというだけでなく、世界戦でメキシカン4人をノックアウトしているという実績が評価されたからだ。

三浦がアメリカ入りすると、メディアは早速“メキシカン・アサシン(暗殺者)”というニックネームをつけて日本の強打者を紹介した。

つまり三浦は“第2のパッキャオ”に通じる道の入り口に立っていたのだ。そう考えれば考えるほど、実に惜しい試合だったのである。

もちろん勝てば最高だったのだが、これで終わりというわけではない。敗れたとはいえ、評価を下げるような試合ではなかった。

ここは強調しておく必要があるだろう。ドラマティックな試合内容は、現地のテレビ局にも、メディアにも上々の評判だったのだ。

メインのコットとカネロの試合がやや盛り上がりに欠けたということもあり、今回のPPV放送の中で三浦の試合が最も会場を熱くしたのは間違いなかった。

[引用/参照/全文:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151124-00824583-number-fight]

コメントする

関連記事

このカテゴリの最新記事