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高梨沙羅「皆の人生を変えてしまった」謝罪 海外では「FISが女子ジャンプをぶち壊した」と厳しい声も

北京五輪に出場していた高梨沙羅が8日にインスタグラムを更新し、心境をつづった。

7日のノルディックスキージャンプ混合団体の1回目にスーツの規定違反で失格。日本は4位だった。号泣した高梨は競技後、取材に応じられず、今回の投稿で初めて想いを明かした。

高梨はインスタグラムに真っ黒の画像を公開。メダルがなかったこと、違反してしまったことへの謝罪を記した。その上で、最後まで諦めずに戦った日本チームにも感謝。

「今後の私の競技に関しては考える必要があります」とし、スキー競技が「選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしい」と願いを明かした。

以下、投稿全文。

「日本チームを応援して下さっている全ての皆様

今回、私の男女混合団体戦での失格で日本チーム皆んなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした。

私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。謝ってもメダルは返ってくることはなく責任が取れるとも思っておりませんが今後の私の競技に関しては考える必要があります。

それ程大変なことをしてしまった事深く反省しております。

そして、私のせいでメダルを取れなかったにも関わらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、そして日本チームのメンバーの皆さま、スタッフの皆さまには感謝してもしてきません。

こんな私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。この度は本当に申し訳ありませんでした。

私が言える立場ではない事は重々承知の上で言わせていただけるなら、どうかスキージャンプという素晴らしい競技が混乱ではなく選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしいと心から願います」(原文まま)

[via:THE ANSWER]
https://the-ans.jp/beijing-olympics-2022/217936/


高梨沙羅インスタ

投稿にコメント1.7万件

投稿からわずか数時間でファンや他のアスリートからのコメントは17,000件に。

「謝る必要なんてない」「自分を責めないで」という声が多いほか、「あなたは日本の誇りです」「前を向いて欲しい」「胸を張って帰国して」「何も悪くない!!」「大大大好きです」「ずっとずっと応援してます」

と温かいコメントが寄せられている。

アスリートたちからもエールが送られた。

カーリング日本代表の吉田知那美は「沙羅ちゃんにはいつも勇気しかもらってないよ。深みのある人生を生きてる沙羅ちゃんを尊敬しています」、

プロスノーボーダーの角野友基は「誰も気にせーへんから!!あなたがスキージャンプに与えてる影響に比べればなんてことないで」とつづった。

海外選手からもハートマークが寄せられている。

[via:THE ANSWER]
https://news.livedoor.com/topics/detail/21647031/

ノーマルヒル4位で
「もう私の出る幕ではない」

ノーマルヒル・決勝を4位で競技を終えた高梨沙羅が心境を語った。

順位には「この4年間でつくりあげてきた結果が4位」とし、「満足できる結果だと思います」と振り返った。

ただ、これまでも常に、自身を支えてくれた人達への感謝を口にしてきた高梨らしく、「すごくいろんな感情がこみ上げてきているんですけど。この4年間で本当にたくさんの方々に支えていただけて。サポートをいただいて、ジャンプをすることができていたので、結果で恩返しができなかったのが一番」と、心残りを口にした。

「ここに今日、立つ事ができなかった選手もいますので、私が試合、出させてもらえることがうれしいことでもあるんですけど」と感謝を口にしつつも、「結果を受け入れているので、もう私の出る幕ではないのかもしれないなという気持ちはあります」と胸の内を語った。

[via:デイリー]
https://www.daily.co.jp/olympic/beijing2022/2022/02/05/0015040240.shtml


高梨 幻の1回目103M 124.5PTS

スーツ規定違反の深層

1回目、ヒルサイズ(106メートル)に迫る103メートルを飛んだ高梨は、着地後に笑顔をのぞかせる。会心のジャンプのはずだった。だが、その直後、スーツの規定違反で失格。記録は取り消された。

スーツ規定違反は他国の選手にも及び、失格者は4か国5人と続出。

日本が通過ギリギリの8位に入って迎えた2回目、高梨は険しい表情のまま飛び出すと、K点(95メートル)超えの98.5メートル。着地と同時に、我慢できずに顔を両手で覆って、涙に暮れた。


各国に続々と失格者が出たことから、それでも日本はメダルの可能性を残した。

小林陵侑の2回目の飛躍を前に、4位まで浮上する。3位カナダとの差は、距離換算で約9メートルだった。エースにかかる一発の期待。

小林は、高梨が祈るように見つめるなか、106メートルの大ジャンプ。しかし、カナダの4人目も101.5メートルを飛び、万事休す。金メダルはスロベニア、銀メダルはロシア・オリンピック委員会(ROC)となった。

報道によれば高梨の違反について、太もも回りが規定より2センチずつ大きかったと伝えられているが、スーツを含む道具の規定違反は、ジャンプでは珍しいことではない。

2006年トリノ五輪では、ノーマルヒル予選で原田雅彦が失格となった。この時、足りなかった体重は「牛乳1本分」と言われた。ワールドカップ(W杯)では小林も違反の経験がある。


うなだれる高梨をハグする小林陵侑

年々激化するスーツの競争

こうした舞台裏には、浮力を得るために年々激化するスーツの開発競争がある。

スーツは国際スキー連盟(FIS)の規定があり、ほぼ毎年、大きさや通気量の測り方が変わる。そのルールに合わせて各国はスーツを作り、五輪のようなビッグイベントが控えている時は、そこに向けてテストを繰り返していく。

スーツは使い続けると、生地が伸びたり、良いものは他国に真似されるため、完成度の高いスーツは、前哨戦では使わないこともあるほど。選手によっては、国内と海外の大会でスーツを使い分ける選手もいる。

既定の範囲内で独自のカッティングを入れ、手を加える。そこにも各国の熾烈な争いがある。

高い技術を持つ職人が、より良い待遇でライバル国に引き抜かれることも。メーカーが幅を持たせて作ったスーツを“縫い子”が個々の体型や体重に合わせて縫い直している。

技術が先行しているのはジャンプの本場・欧州で、日本は長年後れを取っていた。競技力の向上が最優先ではあるものの、世界で勝つためには「そういうことに長けていないとダメ」と有力選手のコーチは話す。

日本勢は以前からスーツの扱いには人一倍、神経を使っていた。

理由は海外遠征の長さ。例年11月に冬のシーズンが始まり、3月まで続くため、帰国する日は限られる。中には体重を維持できず、やせてしまう選手がいる。

「W杯で遠征しているうちに生地が伸びちゃう。ドイツなら家に帰れるから直せるけど、日本は帰れないからすごい気をつけている」とこぼす日本の関係者もいた。

一方で、大会ではチェックする側の力量も問われ、「昨日と同じスーツなのに失格になった」というケースも。日々変化する体重に応じた最適なスーツを着るため、かつては選手個人が遠征に裁縫道具を持ち込んで調整していた。

FISは抜き打ちチェックのほか、細工ができないように競技前にスーツを確認するなど手順を厳格化している。

五輪という4年に一度の大一番。日本のスタッフは規定内のギリギリのところを攻め、細心の注意を払っていたはずだが、思わぬところで足をすくわれてしまった。

[via:THE ANSWER]
https://the-ans.jp/beijing-olympics-2022/217461/

コーチ反省「本人のせいじゃない」

ジャンプ女子日本代表の鷲沢徹アシスタントコーチ(47)は、「ジャンプスーツの規定違反。太ももが2センチずつ大きかった」と説明。

「本人のせいではない。スタッフの確認不足というか…。本人は与えられたスーツしか着ないので、これでいいと自信を持って飛んでいる」と話した。5日に着用したものとまったく同サイズだったという。

鷲沢コーチによれば、選手の日々の体調などによって体形は変化。体の水分状況によっても、脚部の大きさは変化するという。

スーツのサイズは事前確認しているが、「ぎりぎりで攻めていかないとメダルを取れない。どのチームもぎりぎりまで攻めてやっている」と話した。

[via:日刊スポーツ]
https://www.nikkansports.com/olympic/beijing2022/ski_jump/news/202202070001294.html

葛西紀明「ルール改正しないと」

スキージャンプ界のレジェンド・葛西紀明氏は「昨日の夜から今日の朝にかけて、相当これは大問題になるポイントだと思うし、これはルール改正しないとダメだと僕も強く思った」との思いを吐露した。

「こっちに来てやせてしまったり、うまくトレーニングできなかったりとかで、太もものサイズが小さくなったりすることもあるので、そういったところが引っかかってしまったんじゃないか」とコメント。

[via:デイリー]
https://www.daily.co.jp/gossip/2022/02/08/0015046710.shtml

「どうして残酷な涙を」

8日、自身のブログを更新。

「何か裏がありそうな気もしますが・・・(¬_¬)

憶測でものを言うのはやめておきます。(・x・)

オリンピックでは悔し涙や嬉し涙が見たいのに
(T . T)

オリンピックに来てまでどうしてあのような酷い涙を流させるのか!どうして残酷な涙を見なきゃならないのか!

悔しくてしょうがないし、悔しさ通り越して怒りしかない!!(`×´)

オリンピックだからこんな事もある!じゃ済まされないですね。」

と憤った。

[via:葛西紀明オフィシャルブログ]
https://ameblo.jp/nori66nori/


高梨を慰めるドイツのカタリナ選手

「FISが女子ジャンプをぶち壊した」

高梨はコメントを発せず、日本チームは一切、不満を口にしなかったが、五輪という大舞台で、計5人が失格となり、しかも、そのすべてが女子選手だという異常事態に「クレイジーだ!」と怒りを爆発させたのが、ドイツのシュテファン・ホルンガッハー監督だ。

欧州をカバーしているスポーツ専門チャンネル「ユーロスポーツ」によるとジャンパーとしても五輪に3大会連続出場しているホルンガッハー監督は

「まったくクレイジーだ。(予選で)3人の女子が失格になってしまった。その女子選手は、いつもワールドカップで優勝している選手たちだ。我々には何の説明もなかった。彼女(カタリナ)は個人戦で同じスーツを着てジャンプしたのだ。そして何の説明も受けていない。ありえない」

とまくしたてたという。

失格処分を受けたドイツ代表で4個の金メダルに輝いたカタリナ・アルトハウス(25)は、国際スキー連盟(FIS)を涙ながらに非難した。

「FISは今回の運営で全てをぶち壊した。私は彼らが女子ジャンプをぶち壊したと思っている。私は彼らが何をしようとしているのかよく分からない」とドイツの通信社の取材に応じた。

今大会では個人で銀メダルに輝いており、「11年にわたってジャンプでは何度もチェックしているし、これまで1度も失格を受けたことがない」とも続けた。


ノーマルヒルで銀メダルを獲得したカタリナ選手

またドイツのチームマネージャーは、ドイツのテレビ局「ZDF」の取材に対して「以前とは違う検査の手順が使用されたかのように思える。もしそうなら、プロセス全体に疑問を持たなければならない。男性を一人も抜き打ち検査していないのだ」と、検査方法に疑問を呈した。《中略》

「通常の測定方法ではなかった」

ノルウェーの「VG」紙によると失格となったオプセト選手は、「審判員がスキージャンプのスーツを測定する際、通常の手順に従っていなかった」という問題点を指摘したという。

「何と言っていいのかわからない。彼らはまったく違う方法で新しい手順で(スーツを)計測した。今までとは違う立ち方をするように言われた」

同じくストロム選手も、「検査が通常とは違う手法だった」と不満を訴えている。

身体とスーツの測定は、特製のノギスを使い手作業で行われる。

FISのガイドラインでは測定時の姿勢などについても細かく定められているが、手業ゆえに誤差が生じることはこれまでも指摘されていた。今回は測定方法にまた新たな問題があったのかもしれない。

なぜ女子だけ?

ノルウェーのコーチは「本当に言葉を失った。選手たちにとってはとても辛いことだ。そして、なぜ女子だけが失格になったのか。残念ながら、私たちのスポーツにとって悲しい日となった」と話し、FISに対して説明を求める抗議行動を起こすことを明らかにした。

[via:Yahoo!]
https://news.yahoo.co.jp/articles/6fe93efd3740860e08ca7c910c4be8d0560b3013

ネットの反応

・高梨選手はこの状況下の中、立派だったと思う。
・そんなに自分を責めないで
・謝る必要はないと思うんだけど、どうしても謝罪の言葉になってしまうんだろうな。
・全て自分で背負ってしまっているのでしょう。人の心を揺さぶるパフォーマンスができたということも、また知ってほしい。
・メダルという結果以上に大事なものが日本選手の間にはあったと思う
・この様な結果になってしまったがメダルだけが全てではない事を髙梨が教えてくれた感じだ。
・数分間、高梨選手を抱えてしっかり寄り添っていた小林選手。同学年でずっと励まし合って来た二人だからこそ、嬉しい事だけじゃなく辛い事も一緒に乗り越えられるはず。
・スーツに体を合わせるって難しいだろ
・強豪国の女性エースが軒並み恣意的やられたんだろうな
・明らかに強豪国の女性の抜き打ち
・人の人生を変えたのは恣意的に検査した奴ら
・今までガバガバで今回だけ狙い撃ちされたらそれはもはや公正とは言えませんよね
・試合後抜き打ちチェックがわからん やるなら試合後も全員チェックでいいだろ
・あまりにも不公平で行き過ぎたルールの運用。
・計測された選手の8割が失格ってどんな競技なんだ
・ノルウェー、ドイツ、オーストリア、日本の選手がメダル取れないなんて信じられん。
・なんで抗議しないんだ?泣き寝入りしようとしている日本のスタッフの馬鹿さ加減に腹が立つ
・他の国のように、日本もしっかり訴えるべき。
・守らなかった人は失格ですよ、って当たり前w
・ギリギリ攻めるのは勝手だがオーバーしたらダメって簡単な話だよ
・ロシアがチームとして出れてるのが一番謎 なんの制裁もなくない?個人はいいけど団体で出てくるのはおかしいだろ
・中国はいつまで経っても後進国メンタルだよな。一向に先進国としての風格が身につかない。
・ルールがおかしいのか、運営方法がおかしいのか、4年間頑張ってきた選手が気の毒すぎる。
・どうしたら平等に選手がベストなパフォーマンスをできるか考えるのが運営側の責任なのに。
・各競技団体・協会やコーチら首脳陣は、選手たちと競技の公正さを守るためにも、今こそ矢面に立って働くべき時だと思う。
・沙羅ちゃん、堂々と帰って来てね。

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コメント

  1. 1
    名無しさん 2022/02/09 9:25

    葛西紀明選手は紛れもなくレジェンドだ。
    だが、やたらと日本のスポーツ文化を批判する某野球選手も含めて、スポーツ選手は必ずしも一般的な物の考え方が長けている訳ではない。
    ルールは厳格で明確だから問題ない。
    ルールの運用が問題。ならば改正は必要ない。

  2. 2
    名無しさん 2022/02/10 2:06

    アスリートの筋肉は、特に太い太ももとか上腕筋とかはパンプアップしただけで数センチ程度は変わってしまう。ロクに暖房もない選手の控え室、食欲をみたせない油だらけの食事。ウィンタースポーッでジャンプだけが、競泳などと同様にウェアの規定が規制されている。・・・本来であれば、アスリートのパワーを絞り出すためにメーカーだって必死の開発競争をしている。それを否定するルールや規制はどうかと思う。
    本当にフェアにやるのなら、体重別、体格別、そしてウェアについても同一メーカーの同一モデル、同サイズにすればいい。・・・だけど観戦する方は本当にそんな競技が見たいのか?原点に返って規制を緩くして欲しい。飛びすぎて危険と言うなら、スタート地点を下げればいいだけ。

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