やはり最後は「マー君」だった-。今シーズン24連勝の大記録を打ち立てた田中将大投手(25)は、第7戦も九回に登板。

「あと一人!」の大合唱がスタジアムに響く中、最後の打者を三振にしとめると、両拳を突き上げた。「東北初」の快挙にファンは総立ち、歓喜の渦に包まれた。


胴上げされる星野監督

本拠地、仙台市のKスタ宮城に188センチの大きな体が舞った。チームの仲間に胴上げの洗礼を受けた後、田中投手は「昨日は本当に情けないピッチングだったので。この舞台を用意してくれたチームのみんな、ファンの方々に感謝しながらマウンドに立った」と振り返り、「日本一になったぞー」と雄たけびを上げた。

スタジアムにはタレントで妻の里田まいさん(29)も駆け付けた。

里田は日本シリーズだけでなく、レギュラーシーズンからたびたびスタンドに足を運んで応援していたが、この1年を「東北の皆さんの熱気。一緒に応援する日々が楽しくて仕方なかったです!」と振り返った。

さらに「家族としては...」と、2日の第6戦で160球も投げながら、第7戦で9回のマウンドに上がり、胴上げ投手になった田中にも言及。「ただただホッとしました。早くゆっくり休ませてあげたい。大好きな物を食べさせてあげたい。本当に本当にお疲れ様でした」などとねぎらった。

球場で楽天日本一の瞬間を見届けた三木谷オーナーは、予想外(?)の則本―田中の継投に「最高の星野劇場だった。ちょっとハラハラしたけど良かった」と興奮気味に話した。

球団創設9年目での悲願達成について「長かったような早かったような感じ」と振り返った三木谷オーナーは「常に優勝争いができる体制づくりをしていきたい」と今後のバックアップを約束。田中のポスティングについては「球団に聞いて」と多くを語らなかった。

東京・品川の楽天本社には約300人の社員とその家族らがパブリックビューイングを行った。秋田出身で東北大卒の藤田匡佑さん(35)は球団創設に尽力した当時を振り返った。「仙台は先に手を上げていたライブドア派が多く、苦労しました」。


東京・品川の楽天本社

三木谷社長のかばんを持ちながら役所、地元企業、東北中を駆け回った。牛タン店で同社長から「地元密着とは何だ? 日常の会話に楽天の話題が出ることだ」と言われた。仙台の街が今、楽天カラーに染まっている。テレビに映るえんじ色の応援団を見て「喜んでいる地元のファンを見ることがうれしい」と日本一に浸った。

タンクトップ姿になった主将・松井による「皆さん、日本一です。寒いけど風邪をひかないように。乾杯!」の音頭で始まった祝勝会では、5000本のビールが約17分で泡となった。

シリーズMVPに輝いた美馬は「最高ですね。本当に出来すぎです」と喜びを爆発させた。第3、7戦に先発し、この日の6回を含めて計11回2/3を無失点に抑え、巨人打線を完璧に封じ込めた。

レギュラーシーズン終盤には右ヒジの違和感で出場選手登録を外れ、ポストシーズンで投げられるかどうか分からなかったが「それでも使ってくれた監督の気持ちに応えたかった」。前日の田中の160球の熱投にも刺激を受けたという169センチの小柄な右腕は、最後まで興奮冷めやらぬ様子だった。

[zakzak 東スポ他]
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20131104/bbl1311041005001-n1.htm

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