敏腕プロデューサーの懲戒解雇に大揺れだ。

テレビ朝日は20日、番組制作費約1億4000万円を私的に流用したとして、編成制作局の45歳の男性社員・伊東寛晃を懲戒解雇したと発表した。

処分は19日付。同局によると伊東寛晃は03年11月から今年3月までの10年間、制作会社3社に架空計上や費用の上乗せなどの方法で代金を請求させ、差額を着服。キックバックさせた金はプライベートの旅行費用や服飾品の購入などに充てていたという。」(広報部)

同局関係者がこういう。

「早大理工学部を卒業後、テレ朝に入社。『ミュージックステーション』『タモリ倶楽部』『題名のない音楽会』などの音楽系番組や『銭形金太郎』といったバラエティーのプロデューサーを歴任。GP(ゼネラルプロデューサー)として辣腕を振るっていた制作幹部の一人です。


ミュージックステーション

GPは他のプロデューサーを束ねる統括プロデューサー。番組制作費や予算を管理する責任者です。つまり、どの制作会社に仕事を発注するかも思いのまま。逆にいえば、この不景気で制作会社はGPの意見に絶対に逆らえない。それでも3社からのキックバックが常態化していたとは皆、一様に驚いています。うちで45歳だと年収は1500万円から2000万円の間。幅がありますが、人気番組の部長級だと2000万円に近い金額のはずです」

懲戒解雇の一報に、音楽関係者は「バンドが好きで仕事熱心。下北沢のライブハウスにバンドを探しによく行ってました。Mステにはブレークが期待される"ヤングガン"コーナーがありますが、ほとんど彼の一存で出演バンドを決めてました。関係者やバンドメンバーと豪遊し、彼がすべて代金を払ってた」

国税のメスが入った直後から、伊東は「風邪で体調不良」という理由で出社せず、局内で話題になっていたという。

焦点はカネの使い道。「奥さんと離婚して、最近『23歳の彼女がデキた』とうれしそうに語っていた」(同)というが、大半の金は自らの"身なり"に使っていたという。

「とにかく服がオシャレで高級ブランドばかり。全身で100万円以上は当たり前。しかも同じ服を着ているところを見たことがなかった。『テレ朝のプロデューサーは儲かるんだなぁ』と思ってました」(音楽関係者)

お気に入りはフランスの高級ブランド「クリスチャン・ルブタン」で、20万～30万円する靴を20足以上持っていた。芸能プロ関係者は「六本木のミッドタウンに高級インポートブランドの店があるんですが、伊東氏は常連で一度に100万円以上散財することもあった」。

流行の最先端と言われるニューヨークやパリに何度も出掛けていた。別の音楽関係者の話。「女性連れだったこともあるようだが、X氏の目当ては最先端のファッション。現地でブランド品を大量購入していた」

「ミュージックステーション」や「タモリ倶楽部」の担当とは、タモリも仰天だろう。テレ朝では「当該不正行為による損害金額相当額については当社の連結決算に与える影響は軽微であると判断しています」と発表しているが、果たして"不良社員"はこの男一人なのか。日テレとの視聴率争いが熾烈化する中での不祥事である。このまま騒動が沈静化するかどうか。

[日刊ゲンダイ 東スポ]
http://gendai.net/articles/view/geino/146109
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/206600/

【関連商品】




ツイート