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期待を抱かせたアギーレ監督の意外な方針と発言からメンバーをシミュレーション

8月11日、東京都内のホテルで、ハビエル・アギーレ氏(メキシコ)の日本代表監督就任記者会見が開かれた。いわば、新監督の"所信表明演説"が行なわれたわけである。

アギーレ氏の日本代表監督就任記者会見
アギーレ氏の日本代表監督就任記者会見

アギーレ監督が目指すサッカーのキーワードとなるのは、「バランス」だ。新監督は「攻守両方をこなせる選手が必要だ」と言い、「11人全員が守れて攻められる、そういうチームを目指している」と語った。

自らのサッカー哲学を「とにかくたくさん走って、いいプレイをして勝つこと」だと話していたが、これなどはまさに現代サッカーの潮流に沿った考え方である。

会見途中、「守備に力を入れて勝つことを目指す」と話し、攻撃サッカーを目指す日本とは相容れないかのような発言もあったが、これは「守備的に戦う」ということではなく、意味合いとしては「攻撃しかできない選手はいらない」といったところだろう。

「まずはできるだけ多くJリーグを見たい」とも話しており、来日早々、選手選考にも意欲的に取り組む姿勢をうかがわせた。

全体を通して非常に好感の持てる就任会見だったが、なかでも興味深かったのは、「ユース世代の育成にも関心を持っている」と語った点である。

選手の選考基準として、「将来性のある選手を呼びたい」というアギーレ監督は、それが単なる漠然としたイメージだけではないことを示すように、「五輪代表にも目を配りたい」と発言。「ロンドン五輪(2012年)でも日本の試合を見た」と明かし、「五輪世代にも優秀な選手がいる」とも話している。

これは、歓迎すべきことである。

過去、日本がW杯で決勝トーナメントに進出した2大会、すなわち2002年日韓大会、2010年南アフリカ大会を振り返ると、いずれも五輪世代からの台頭が活発だったという点で共通する。

フィリップ・トルシエ2002年大会当時はフィリップ・トルシエ日本代表監督が五輪代表監督も兼任していたこともあり、2000年シドニー五輪に出場した世代が数多く日本代表に登用された。

また、2010年大会当時も、2008年北京五輪に出場した本田圭佑、長友佑都、内田篤人、岡崎慎司らが、日本代表の主力に成長していた。

対照的に主力メンバーが固定され、なかなか若手の台頭が進まなかった2006年ドイツ大会、2014年ブラジル大会では、日本は惨敗に終わっている。つまり、日本代表がW杯で好結果を得ようと思えば、五輪世代からの台頭が不可欠なのである。

だとすれば、アギーレ監督が若手の登用に積極的なのは喜ばしいことだ。もちろん、そこに不安がないわけではない。

手倉森誠自ら「五輪代表にも目を配る」と言っているのだから、いっそ五輪代表監督を兼任してもらってもいいくらいなのだが、五輪代表はすでに手倉森誠監督が就任し、半年以上も前から活動が始まっている。

当然、日本協会内ですり合わせは行なわれるのだろうが、両者の目指すサッカーがどこまで方向性を一にできるのかはわからない。

事実、今回のW杯でも、ロンドン五輪代表から漏れたFW大迫勇也がメンバー入りし、逆にロンドンで活躍したFW永井謙佑は外れるという"矛盾"が起きている。

大迫勇也|永井謙佑
大迫勇也|永井謙佑

これは、五輪代表が日本代表とは異なるサッカー(カウンタースタイル)を志向した結果である。

どんなにアギーレ監督が五輪世代から選手を登用したいと考えていたとしても、肝心の五輪代表が"日本代表予備軍"として機能していなければ意味がないのだ。

また、アギーレ監督が将来性を重視するあまり、現状での活躍を度外視する――大活躍しているベテランは無視し、そこそこの若手を重用する――ようなことがあれば、選考自体の理解を得にくくなる。

あるいは、日本代表経験のない若手を多く登用した結果、負け続けたのでは周囲からの風当たりも強くなるだろう。

とはいえ、4年後を見据えて「将来性のある選手」を選ぶことは、過去の事例から考えても絶対に必要なこと。アギーレ監督が「切磋琢磨し、競い合うチームにしたい」とも語ったように、選手同士が競い合い、その中から若手が台頭してくれば文句なしだ。

新監督のお手並み拝見である[sportiva]
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2014/08/12/post_700/index2.php

■アギーレ監督の言葉からメンバーをシミュレーション

9月5日に予定されているウルグアイ戦と同9日のベネズエラ戦には、どんなメンバーが選出されるのだろうか?ただ、1ヵ月を切っている段階で大幅に選手を入れ替えることは考えにくいので、ブラジルW杯を戦った選手たちを中心にシミュレーションしてみようと思う。

このメンバーから4-1-2-3のフォーメーションで先発の11人を選ぶと、

GK:川島
DF:内田、森重、吉田、長友
アンカー:細貝
CH:長谷部、柴崎
WG:岡崎、香川
FW:柿谷

4-1-2-3で先発の11人を選ぶと...
4-1-2-3で先発の11人を選ぶと...

CBは吉田が批判の対象となっているが、ザッケローニ監督時代のように中盤から前線の選手が効果的な守備をせず、ただラインを押し上げるだけではCBの2人に大きな負担となるため、持ちこたえられないのも仕方がない。

細貝がアンカーとして中盤の守備を担えば、CB勢のパフォーマンスも見違えるように良くなる可能性も十分にある。

FWは大迫もいるが、ショートカウンターならばやはり柿谷だろう。昨シーズンのセレッソ大阪でも、柿谷の裏を狙うスピードはショートカウンターでこそ生きることが証明されている。また、香川がクラブで全く出場機会がない場合には宇佐美や齋藤を左WGで起用することも考えられる。

もちろん、アギーレ監督が単純に30歳を超えた選手を外すかは分からないし、本田や遠藤を「フィット出来ない選手」と判断するかも分からない。しかし、会見で「五輪やユース世代の育成にも関心がある」と語っていたことからも、今後はより若い選手の抜擢も期待で来そうだ。[フットボールチャンネル]
http://www.footballchannel.jp/2014/08/12/post47695/5/

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