SPORTS

HEADLINE

井上尚弥V6 米デビュー戦TKOで圧勝も・・・強すぎてスゴさが伝わりにくかった!?


WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 
〇井上尚弥vsアントニオ・ニエベス●
(TKO 6回終了)

WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(24)=大橋=が米国デビュー戦を圧勝で飾った。挑戦者の同級7位アントニオ・ニエベス(30)=米国=を寄せ付けず、6回終了TKO勝ちをおさめた。

本場・米国の関係者やファンに実力の高さを見せ、スター選手への第一歩を記した。井上の戦績は14勝(12KO)、ニエベスは17勝(9KO)2敗2分けとなった。

本場の米国のリングでも“怪物”らしさを見せた。井上は初回からエンジン全開。

2回には残り10秒を知らせる拍子木をゴングと勘違いして戻りかける場面もあったが、試合を完全に支配。5回には左ボディーでダウン経験がないというニエベスに右膝をつかせた。

「相手が逃げ一辺倒で、試合にならないと思った」。逃げ続ける相手に対し、6回には両手を広げたり、手招きをして「来い来い」と挑発するパフォーマンスも見せた。手も足も出ないニエベス陣営は6回終了後に棄権。

井上は「すっきりしない勝ち方だった。あそこまで逃げられてしまうとどうにもならない」と少し不満げだったが、圧倒的な実力差を見せたことは間違いない。本場のリングで、確かな第一歩を記した。

[via:http://www.hochi.co.jp/sports/boxing/20170911-OHT1T50029.html]

強すぎてスゴさが伝わりにくかった!?

段違いの力を見せつけた井上だが、現地の反応は微妙。「圧倒的な強さは認める。でも、イノウエは(これから)もっと面白いものを俺たちに見せてくれるのか」。

本場米国では「実力=人気」とはならない。井上が世界のスーパースターになれるのかどうか。順調な足取りでスタートを切ったのは確かでも、本当の楽しみは次戦以降ということになりそうだ。

試合後の記者会見、米国最大のペイテレビ『HBO』スポーツ部門のトップ、ピーター・ネルソンはスピーチした。

「ニエベスはプロ、アマ通して一度も倒れたことがない。優れたテクニックも持っている。そんな挑戦者をダウンさせて、その上、棄権に追い込んだんだから、イノウエは素晴らしいと思う。今後もみんな彼を見たがるんじゃないかな」

この日、米国のリングに初めて登場した井上のボクシングの魅力そのものを手放しに絶賛するのではない。その強さのほどを多少、親切過ぎるくらいに説明していた。

日本のスターを招聘(しょうへい)したHBOお偉方が気遣いをしなければならなかったのも、井上尚弥があまりに強すぎたためだ。《中略》

井上本人も念願だった米国進出、その初陣を文句のない勝利で飾った。たった6戦のプロキャリアで世界タイトルを奪い、8戦目で2階級制覇した。

その本領は本場のボクシングファンにもきちんと証明できたはずだ。けれど、「強さ=面白さ=ファンへの興味」と順序よくつながらないのが、米国のボクシング界である。

今回の戦いでしっかりアピールしたいと宣言していた井上も「もう少しきっぱりと倒して勝ちたかったですね」と自己採点を満点から30点も差し引いた。

実際、試合前まで、現地の報道陣、熱心なファンは井上に圧倒的な注目を寄せていたのだ。

メインイベントでは、前回不運な判定でタイトルを失った4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)がシーサケット・ソールンビサイ(タイ)と再戦するが、井上初登場の注目度はほぼ同等だったと言っていい。

スーパーフライ級ばかり3つのビッグマッチを集めた今回のイベントは『SUPERFLY』というキャッチフレーズがついたトリプルメインイベントだった。

しかし、メキシカンの間で圧倒的な注目を集めた同国の元世界王者同士によるWBC世界王座挑戦者決定戦、ファン・フランシスコ・エストラーダ対カルロス・クアドラス戦を押しのけ、ゴンサレスと井上のダブルメインイベントとして扱う声も少なくなかった。

だが、いざ、戦いが終わってみると、やはりメディアの反応は冷静なものが多かった。

「イノウエ? もちろん、もっと見てみたい。この次も楽しみにしている」。

どこか熱気を横に置いたようなそんな答えばかり。実力への評価までにとどまって、それ以上のカリスマ性にまで到達することはなかった。

もちろん、ローマン・ゴンサレスの凄絶なKO負けに、興味がかっさらわれたせいもあるとしても、だ。《中略》

前王者ロマゴンが王者シーサケットに4回TKO負け

井上がもっと『モンスター』なところを日本人として見せたかった。これだけ強ければ、相手も相当高いレベルでなければ、スリルを感じさせる以前の今回のような戦いになってしまうのだろう。

「これからは階級を上げて戦っていく予定です。ずっと見ていてほしいですね」

真実の世界制覇にかける井上の野心に陰りはない。だったら今回は本場での肩慣らしと考えたっていい。ただし、真実のモンスターが。その真価を発揮する相手って誰?

ロマゴンが大きく後退した今、スーパーフライ級からバンタム級にかけて、目の肥えた米国のファンが、納得できるような名前が見当たらないのは不安なところではある。

[via:https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201709110005-spnavi]

関連商品

コメントする

関連記事

このカテゴリの最新記事